現在、横浜港大さん橋で開催されている絵画展「絵で見るP&O/プリンセス・クルーズ」で展示してある私の絵のうちの一点「スカイ・プリンセス」(46807トン 1984年建造)です。
もともとかつて豪州を市場にしていたイタリア系クルーズ会社のシトマー・ラインが初めて自前で建造したクルーズ客船「フェア・スカイ」なのですが、ライバル関係にあったP&Oによるシトマー社買収によってプリンセスに移籍してこの名前となったもので、かつて来日したこともありましたが、のちにP&Oオーストラリアに移ってパシフィック・スカイと改名されました。
2006年からはプルマンチュールの船になりましたが、度重なるエンジントラブルでずっと係船され、つい先日残念ながら解体されてしまった模様です。
ところで実はこの船、珍しいことにエンジンは現在普通の船に用いられるディーゼル・エンジンではなく、蒸気タービンエンジンだったんですね。
蒸気タービンは1960年ごろまでは大きな客船によく使われたエンジンで、振動が少なくてパワーがあるものの、重くて燃費が悪く、この船が建造されたころはもうとっくに時代遅れのエンジンと言われて新造クルーズ客船では全く使われなくなっていました。(ただしLNGタンカーはある理由からいまだに多くがこのエンジンを採用していますし、原子力船も構造上は蒸気タービンです)
したがってこの「スカイ・プリンセス」が最後の蒸気タービンのクルーズ客船と言われています。
シトマー社がなぜこの船を造るときにこのエンジンを選んだのか?判りませんが、わたしが大昔に初めて乗った外航客船の初代「にっぽん丸」(2代目「あるぜんちな丸」)がこの蒸気タービン船で、それまで乗ったことのあるディーゼルエンジンの内航客船やフェリーに比べて圧倒的に静かで乗り心地がいいのに驚いた記憶があります。
ピースボートの「ジ・オセアニック」も引退してしまった今となってはこうした普通の燃料を使った蒸気タービンの船に乗ることは多分できないのでしょうね。
絵はアクリル絵の具で、オーストラリアのシドニー入港の様子を描いたものです。
・
トラバしまぁす!!
初代にっぽん丸は振動が少なく乗り心地がよかったですね。初期のコンテナ船やVLCCも蒸気タービンが多かったですが、順次、ディーゼルに換装され、スピード重視から効率重視への時代の変わり目だったのでしょうか。ついでで恐縮ですが、「えとぴりか」の船尾方向に見える時代モノのクレーンは弊社製で、思わぬ発見でした。
今日、大さん橋でPunipさんの作品を見てまいりました。
いや〜、素晴らしかった!
あいかわらずPunipさんの知識と目の付け所には感服です!Nice!
ふねきちさん、貴重な画像のトラックバックありがとうございます。
来日した時はブリッジ下にお姫様マークは無かったのですね。
SEABIRDさんも初代にっぽん丸に乗られたのですね。
でもタービン船ゆえにクルーズ客船としては短い命でした。
そう言えばあのQE2も途中でディーゼルエンジンに換装されましたものね。
えとぴりかでは意外な発見が出来ましたね。
ANTONさん、見てくれたのですね。
ありがとうございます。
わたし以外の皆さんの作品も素晴らしいものばかりだったでしょう?
コメントを投稿する
コメントを書く