先日はオイルショックで中止の憂き目に会った客船のことについて書きましたが、今回はバブル崩壊とともに消え去った客船計画です。
わたしがオイルショックと聞いてもあまりピンとこないように、今の若い人にとってバブル景気の崩壊は話には聞いていても子供のころのはなしで実感としては湧いて来ないのではないでしょうか?
とにかくヘンな時代でした。
1989年、そのバブル景気の真っ只中、東京のとある会社が、東京湾に46000トンクラスの大型客船を浮かべて、オフィス兼ホテルとして活用しようと言う計画を発表したそうです。
その名も「ノア・プロジェクト」
詳しいことはまったく判りませんが、手持ちの資料によると全長222メートル、建造費300億円、完成予定は1993年との事。飛鳥よりすこし小さいぐらいですかね。
船体のデザインは、え〜とイタリア人デザイナーのジョルジュエット・ジウジアーロと言う人。
なに!よく見たらスーパーカー世代にはめっちゃ懐かしい、イタリアのカーデザインの巨匠じゃないですか!
日本車でも名車いすゞ117クーペや「走るマヨネーズ」いすゞピアッツア、スバルSVXなどを手がけて、その名声は響き渡っています(あんまり売れたクルマはなかったけどね)
確かにこの人、カメラや時計、電車や携帯、わたしの記憶ではたしかパスタ(!)まで手広くデザインしていますが・・・
客船までデザインしたとは知らなかった〜
完成予想図があったのでそれを元にわたしなりに描いてみたのが上の絵ですが・・・ジウジアーロさん、違ってたらごめんなさい!
確かにこのころの客船のデザイントレンドからはちょっと外れた、さすがにおしゃれなスタイルをしています。
なんとなく日本の新幹線を意識したのかなって気がしないでもないですけどね(新幹線と言えば新日本海フェリーのすずらん丸ですが・・)
いかにもバブリーなこの計画、その後のバブルの崩壊のあと、何の噂も聞かれなくなってしまいました。
それにしてもこのおはなし、わからないことだらけ。
浮かぶオフィス&ホテルとして使うんだったら、なにもこんな客船の形をしていなくても良かったと思うのですが、予想図で見る限りは2本並列のファンネルやレーダーマスト、救命艇にテンダーボートまであり、立派に外航クルーズに使えるように見えます。
いったいどんな使い方を具体的に考えていたのでしょうか?
今みたいなネット時代じゃあるまいし、オフィスを船の中に設けて、そのままどこか外国にクルーズに行かれた日にゃ顧客や取引先は困ってしまうと思うのですけど・・・
どなたかこの「ノア・プロジェクト」、詳しいことをご存知のかたがいらっしゃいましたらぜひ教えてくださいませ。
今までに計画されてて幻となった客船って少なくないんですね。以前プニップさんが記事にしていた「プリンセス・カグヤ」は果たしてどうなるでしょうか?とんでもない巨大船ですよね。
まじっすか!あの、ジウジアーロが船をねぇ〜。フェラーリのデザインでも有名なピニン・ファリーナ(現在デザイン部門の責任者は、なんと日本人)や、ランボルギーニのデザインで有名なマルチェロ・ガンディーニが豪華客船をデザインしたらどんな船になるのでしょうね。ピニン・ファリーナの場合、とても滑らかな美しいラインになるでしょうね。
sanakoさん、わたしが知っているだけでこれだけあるのですから、まだまだたくさんあると思いますよ。ま、計画だけならわたしでも出来ますからね(ひどい船になると思うけど・・)「プリンセス・カグヤ」は超巨大ですけどデザイン的には割りとオーソドックスな感じで、実現性がありそうにも見えますが・・・果たして?
黄龍さん、もし今、そういったカロッツエリアの人たちがデザインするとしたらクリッパー・オデッセイクラスの小型客船でしょうね。最近の大手クルーズ会社の超大型船はいかに低コストで効率よく大量のクルーズ客を運べるかと言うことをメインにデザインしていますから、滑らかな美しいラインなど入り込む余地はないような気がします。
オフィスがどうのこうのという話どこかで聞いたことあります。ティシュケースを見るたびに、最近はこんな感じのクルーズ船がうようよと・・と思ってしまいます。
駒さん、たしかに最近はティシュボックスのようなクルーズ船が増えていますね。その中にデザインを見出していくしかないのでしょうね。
punipさん、こんにちは。この船いいですね。ジウジア−ロの設計ですか。流石ですね。こんな船が建造されるのを待ちましょう。それにしても絵がお上手ですね。 神戸のまつ
まつさん、ありがとうございます。今のクルーズ船は似たようなデザインが多いですからこんな船が出来ると面白いですね。
まさにバブルを象徴するかのような計画です。記事を読むに、動力があるのかも微妙ですね。目的も不十分なまま建造されなくて良かったかもしれませんよ。悲劇の船にならずに済みましたし(笑
これを見てまず思ったのは、ポセイドンに似てるなぁ〜って事でした…(^_^;)
こたけさん、客船の新しい使い方と言う意味では、プリンセス・カグヤに会い通じるものがあるような気がします。あの計画もバブル期以上にバブリーですものね。
yotajiiさん、確かに雰囲気似てますね。て言うかわたしの絵の構図が同じなせいかな?
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