いまやクルーズ客船会社のカーニバルといえば、老舗のP&O/プリンセスグループ、キュナード、コスタ、ホランドアメリカなどの客船会社を次と飲み込んで成長を続ける、巨大資本ですが、
本体のカーニバルクルーズはアメリカ東西海岸とカリブ海が中心のクルーズに専念していて、海を渡って日本にやってきたことは、わたしの知る限りでは一度もありません。
でもあの赤白青のド派手なファンネルマークを日本の港で披露したことがあるんです。
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1977年の秋ですから、今を去ること30年近く前、ある大型客船が神戸港にやってきました。
その船の名はS・A・バール(32697トン、1961年建造)
元はイギリスユニオンキャッスルラインの南アフリカ航路の定期貨客船トランスバール・キャッスルで、その後、サフマリンと言う会社に移籍してこの船名を名乗っていました。
ちょうど商船三井の2代目あるぜんちな丸を大きくした感じの均整の取れた美しい船です。
神戸では川崎重工神戸造船所のドックに入渠、なんとそこでクルーズ客船に大改造されることになったのです。
依頼主はまだそのころ中古客船を買ってクルーズしていた新進気鋭のカーニバルクルーズ。
ちょうどそのころ神戸を初めて訪れた船好き少年だったわたしは、中突堤の関西汽船の乗り場から今のモザイクの先あたりで工事中だったこの船を目撃しています。
もうほとんど出来上がっている状態であの赤白青の巨大なファンネルが神戸港に聳え立っているのをいまでも鮮明に覚えています。
で、出来上がったのが上の絵にあるようなクルーズ客船フェスティバール。
ふつう美しい船を大改装するとどうしようもない船が出来上がったりするものですが、われらが川崎重工、オリジナルのイメージを崩さず、なおかつ華麗なクルーズ船らしく、いい仕事をしています。
でもなんでクルーズ船なんか作ったこともない、はるか極東の造船会社にこんな大きな船の大規模な改装工事の依頼が入ったのか当時から不思議でなりません。
ここで造ったさんふらわあを見て、カッコいいと思ったのかなぁ?
いずれにしろこの船はカリブ海で大成功!カーニバル躍進の原動力となりました。
しかしながら、その後この会社は中古船はやめて、ティシュケースのような新造船ばかりになり現在に至っています。当然、川崎重工に海外からクルーズ客船改装の依頼は入らなくなってしまいました。残念
ちなみにこのフェスティバールのころの同僚船でカルニバールという船と言う船があります。横浜・神戸でおなじみ、ピースボートのトパーズの壮年期の姿です。これも何かの因縁かな?
川崎重工の神戸で改装してるの、私も見た記憶がありますねえ。30年前になるんですか。笑 インデペンデンスだったか、コンスティチューションだったかもハワイに行く前に神戸で改装してましたよね。 客船改装営業、気合が入ってたんですかね。 客船建造の勉強だったのかも。
saillargeさん、そういえばオリエントオーバーシーズラインがあの2隻を買って香港からハワイに回送する途中にどっちかが神戸で工事を受けていましたね。すっかり忘れていました。たしかフェスティバールよりあとだったと思います。残念ながらわたしは見ていません。
1979年、FESTIVALEが改装され、その後にINDEPENDENCEが改装されました。 私も見に行きました。
skyblueさん、ありがとうございます。この2隻の神戸での写真をお持ちでしたらぜひアップして下さい。お願いします!
あいにく写真は撮ってないです。
skyblueさん、調べていただいてありがとうございます。またよろしくお願いします。
当時撮った写真をトラバしました。かなり劣化して変色した写真ですが、参考程度に見て下さい。
こじ太郎さん、トラックバックありがとうございます。貴重なお父様のお写真、拝見いたしました。あのとき自分が見た景色が甦ってきました。感激です。
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