以前にも書きましたが、わたしが客船ファンになったばかりの少年時代、一番好きだったスウェーデンの客船クングスホルムの現在の姿、モナ・リザ(26678 トン1966年建造)です。
スウェーデン船時代は毎年来日し、その優雅な姿を横浜や神戸の港で披露していましたが、後年プリンセスクルーズに売却、シープリンセスと言う名前でほぼ現在の姿に改造されました。
大きく変わったのはその均整が取れていた2本の煙突。
前の一本はダミーだったため、短くカットされ、後ろの1本は排煙効果を考えて中途半端に長く伸ばされました。
さらに広いガラス窓がずらっと並べられたボートデッキの下のプロムナードの後半部分は閉鎖され前後のバランスが著しく悪くなってしまいました。
このシープリンセス時代は何度か来日していたのですが、その後復活したユニオンカースルラインのビクトリアを経て、今の船名モナ・リザに至っています。
このモナリザ、毒々しい赤い色の煙突にダ・ビンチのモナリザの絵をそのまま転写したマーク、船腹の中途半端な高さにストライプと大きく書かれた船名のロゴ。
年増の厚化粧といった感じで一目見るなりわたしはげんなりしてしまいました。
今年の春、この船の来日の噂があったときは、まるで学生時代の初恋の相手が場末の娼婦に落ちぶれたところに再会するようでとても複雑な気持ちだったものです。
結局、来日は果たせず、この船を傭船して運航していたドイツのホリデイ・クロイツファールテンも先日倒産。この船の今後は不透明なまま。
せめて煙突だけでも元のデザインに戻して、もとのクングスホルムの名前で復活して欲しいと思うのですがもう船齢も40年。行く末がとても心配です。
イラストは今年の一月に実現するはずだったこの船の横浜初寄港、大桟橋着岸のシーンです。
こうやって気を取り直して描いてみるとやはりこの船、こんな風に改造されてしまってもいいデザインですね。氏素性は争えないものです。
尚、クングスホルム時代の神戸来航の貴重な画像がこじ太郎さんのブログで見ることが出来ます。
このモナ・リザ号があのクングスホルム号だったのですか!煙突のせいかずいぶんとイメージが変わっちゃいましたね…。確かに昔の形のほうが良いですね〜
こじ太郎さん、わたしの絵がへたくそなせいもあるのですが、当時の雰囲気はつかみにくいですね。でも実は前半分はほとんど当時と変化が無いんですよ。煙突のデザインっていかに船にとって重要なものかよく分かります。
煙突部分にモナリザの絵ですか・・・。なんだか安っぽくなってしまいますよね(^^;でも、本当に素敵な絵ですね(^^)こういう絵、とても好きです。描き始めて結構長いんでしょうか?
船は年をとるとあちこち移籍、売却によりイメージが変わるんですね。それによって人気が出たり、イメージダウンになったり運命は解らないです。
タヌキツネさん、ありがとうございます。以前から船の絵は描いていましたが、こうして本格的に描きだしたのはこのブログをはじめてしばらくたってからで、まだ一年もたっていません。まだまだ勉強中です。
shouさん、船は塗装だけでもイメージはずいぶん変わってしまいます。あのクインエリザベス2も、黒い船体を一度だけ明るいグレーに塗り替えたことがありますが、悪評たらたらですぐもとの色に戻してしまいました。
QE2が出たので余談ですが、先日横浜のマリタイムミュージアムでQE2の展示やっていまして皆さん、口々に最初のカラースキームが良かったと言ってました。ちなみに黒色は実はかなり濃いチャコールグレーであったり、キュナードがファンネルを真っ赤っかにしないで白にしてエアスクープを赤にしたとか結構冒険していますが、今の目で見るとやはりタキシードっぽいたたずまいで私もこれがQE2のイメージですネ。^^
この船は、長崎港に今年最初に入港する予定になっていたのに、こなかった船ですね。私の期待を年初から裏切ってくれたので、よ〜く覚えていますよ。事故もよく起こしていたとか。来年の元旦には、「ふじ丸」が入港する様です。一ふじ丸、ニたか、三なすびですね^^
どうして前の煙突を中途半端に残したのか、思い切って全部取り払ってしまえばすっきりした様な気もしますが、その代わり残っているだけに復元の目もあるかなと期待してしまいますね。前の元煙突の中に何か「臓物」でも入っているんでしょうか。それと、やっぱりまだ十分綺麗な船ですよ。PUNIPさんもまた一番良い角度でお描きになったですね。
fismajarさん、わたしもやはりQE2は建造当時のデザインが一番好きです。ファンネルを伝統のキュナードレッドを廃止して先進性を打ち出して良かったと思うのですけど、昔からのお得意先に文句を言われたのでしょうか、すこし残念です。ちなみに黒に見える色は確かにかなり濃いチャコールグレーでした。いまはかなり濃い濃紺です。
黄龍さん、長崎にもやってくるはずだったんですよね。クングスホルム時代にもたしか長崎に寄っていたと思います。あの港に映えるデザインなのですけどねえ。
つうせいさん、単に前の煙突を切るとき寸法を間違えて切ってしまい、「ま、いっか〜」でそのままになったのかも知れませんね。それでその切った部分をついでに後ろの煙突の上に乗せただけだったりして・・・
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