「かめりあ丸」横浜〜東京　ミニ航海記

東京多摩地区のはずれに在住しているわたしの場合、横浜での客船見物の帰りはたいていの場合、最寄のみなとみらい線「日本大通」駅から東横線経由で東京の「渋谷」まで乗って帰ります。

その間、３０数分、それはあくまで単なる「移動」であって「旅」ではなく、渋谷に到着しても「いやぁ〜東京に戻ってきた〜、やっぱり自分の住む街がいちばんいいなぁ」な〜んて思ったことは一度もありません。

それはＪＲを使って府中本町や品川経由で帰ったとしても同じことでしょう。

もちろん、クルマで第三京浜で帰っても同じ、やはり「旅」ではありません。

でも、あるシーズンの土日に限って言えば、大桟橋からそのまま２時間弱の「旅」を楽しんで東京に戻ることが出来るんですね。

それが東海汽船の東京〜大島〜神津島航路の横浜〜東京間の区間乗船です。

この区間航路の存在をずいぶん前から知りながら、土日はほとんど仕事のため乗ることが出来なかったのですが、今回、年に数回の日曜日休みを利用して横浜で自分の描いたイラストの即売会（アートフリマ）を開催した関係で、船の好きな仲間たちと「かめりあ丸」に乗船してこの航路をはじめて楽しむことが出来ました。

大桟橋に接岸する「かめりあ丸」

この船に乗船するのは昨年の１１月、東京〜新島間以来です。

新島の港で見たこの船はたいそう立派に見えたものですが、内外の数万トンクラスのクルーズ客船が出入りするこの大桟橋ではちんまりと見えます。

ちなみに今回この船に乗船した仲間は全部で８人プラス0.2人。0.2人の方は別としてあとはいずれも名うての船好きぞろいです。

船会社からは相当怪しい一味に思われただろうなぁ

大桟橋ではやはり「シルバー・ウィスパー」の出港を待っていた船好きの仲間４人が盛大に見送ってくれました。

大声で「いってらっしゃーい！」「お元気で〜！」ってすごいテンションの盛り上がり。あの〜ただ単に東京に戻るだけなんですけど･･･

「日本大通」の駅のホームで同じノリでやったら完璧な変態です。

遠ざかっていく横浜の街並み。日暮れ後の空にすじ雲がたなびいていました。

ベイブリッジを通過するタイミングで「ロイヤルウイング」と反航。薄暮に電飾された船体が美しいです。

このすれ違い、スカイウォークで見ていてもいい絵になったかも

１００人ぐらいの乗客は乗っていたと思いますが、広い最上階のデッキに出ているのは我々だけ。
左舷へ、右舷へ、前方へと移り行く港の景色を見るのに右往左往していました。

ＫさんとＩさん、２歳児の可愛いお嬢ちゃんに「ガントリー・クレーン」とか「ＳＯＬＡＳ条約」とか難しい言葉を教え込んで船好きに仕立てようと言う気持ちは判らんでは無いですが、ちょっとばかり早過ぎるのではないでしょうかねぇ？

ひとしきり写真を撮り終えたあとは軽食堂で夕食を取りながら船談義。

あいかわらずこの船の船内は昭和の香りで溢れています。

結局今回も この船の名物「マンゴー・カレー」を試してみる勇気がありませんでした（泣）

大桟橋を出港して１時間半後、東京港に入港しレインボーブリッジをくぐりました。

この航路のポイントのひとつは、東京と横浜を代表する二つの橋を通過することでしょうか･･･

やっと東京に戻ってきた〜と実感するのがこの地点です。

竹芝桟橋には同僚船の「さるびあ丸」が接岸していました。

そういえば去年と一昨年の秋、この船による東京〜千葉〜横浜のトライアングルクルーズでも今回のように横浜〜東京間を乗船しているんだったっけ

たった２時間弱だけど、なんだかとっても充実した船旅ののち、東京港竹芝桟橋に到着。

電車やクルマでは味わえない「旅」の終わりです。

大人片道１２８０円で体験できる昭和の香り漂う離島航路の小さな船旅、

２２時東京発、２３時３０分横浜着という今回とは逆の便もあります。

どうぞ皆さんも一度、お試しあれ