お腹を満たした僕達が次にするべきミッションはもう決まっている。
コインランドリーを使ってみることだ。
部屋に付いているランドリーサービスも試してみたが妻曰く、思ったほどの仕上がりでは無いらしい。
洗濯にはなかなか厳しい妻である。
おかげで32年になる結婚生活の中でこの事についてとやかく言われたことの記憶はない。
9053号室のすぐ側にランドリーとバトラーの控えている部屋がある。
たしか、25セントでトークン二枚と交換。
一枚のトークンで洗濯。
もう一枚で乾燥ができる。
値段としたらば大変お値打ちだろう。
先ずは25セントをトークンの機械に。
流れるように飲み込まれてゆく。
その先は・・・出てこない。
も一度やってみる。
・・・50セント損した 😨
きびしい妻はバトラーにこの件を伝えてお金を取り返してこいと言う。
バトラーはすぐ隣の部屋に居る。
バトラーの部屋は右舷、左舷どちらからも入れるようになっている。
乗船カードを磁気に反応させれば開く仕組みだ。
2〜3回試してみるが扉は開かない。
中にバトラーがいるのは扉の上半分がガラスになっているのでそれは分かる。
左舷からだらか入ってきて話している。
少しの間をおいてもう一度トライ。
開かない。
「何をやっているんだ」と言わんばかりの程ではないまでもそれを思わせるに近い態度で中から彼が開けてくれた。
こうして開けるんだと僕の乗船カードを取り上げてやって見せた。
「トークンが・・・」伝えると同時にその事かと言わんばかりに4枚のトークンを渡してきた。
故障している事を告げられたがそれならば「書いとけヨ」と心の中で思いながら笑顔でそれを受け取った。
心の中では「50セントを返して欲しかったのに・・」と思いながら。
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