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Oceania Cruises、変貌への第一歩

シリーズ  書庫:クルーズ

最初に...

この記事は長文です

ご容赦...m(_ _)m
※なにせ思い入れのある船社なので...


先日の記事でもちょっとご紹介しましたが、来年1月には現在運航しているR-Classを2倍以上上回る"Marina"という新造船を就航させることになったOceania Cruises。

この会社、日本での知名度はかなり低いでしょうね...
"Nautica"という船が、関西を中心に何度か来日しているので、それ絡みで名前が知られている程度ではないかと思います。

以下、与太爺的船社解説!!...(^^;)


Oceania Cruises 会社解説

Oceania Cruisesは、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミをベースとするクルーズ運行会社で、現在、3隻の客船を世界規模で運航しています。 運航している船は、すべて元"Renaissance Cruises"の"R-Class"という船です。 船会社のカテゴリー的にはブティッククラスの直下くらいのポジションでしょうか。 2週間の旅程が基本の高級クルーズです。 設立は2002年と比較的若い会社。 創業者は高級クルーズ業界のベテランであるJoe WattersとRenaissance Cruisesの元副社長であるFrank Del Rio。さらに経営陣としてBob Binder、Robin Lindsay、James Rodriguez、そしてHoward Shermanが参画しています。

※左がJoe Watters。右がFrank Del Rioです。 もともとRenaissance Cruisesの熱心なファン層に支えられて設立されたような会社で、実は"R-Class"という船有りきという会社なんです。 2002年10月に元Renaissance CruisesのR TwoをCruiseinvestからチャーターし、Insigniaと改名。運航を始めましたが、当初はメーリングリストを中心としたユーザー会がメイン顧客で、ほとんど外の客を対象としていませんでした。 コレが変化したのが2003年6月。 Oceania CruisesはInsigniaをRegattaと改名し、新たにCruiseinvestからチャーターした元R ONE改めInsigniaの2隻によってサービスを開始。 ※つまり船名が入れ替わっているのです...これもなかなかユニークですね。 拡大路線へとシフトします。 その後着々と規模を拡大。2005年11月には3番目の元Rクラスの船(R Five)をCruiseinvestからチャーターし、Nauticaと命名してサービス開始しました。 このNauticaの命名式で、Frank del Rioは4番目の船Marinaを2007年7月に追加する計画を発表しています。しかしながらこれは実現しませんでした。 そう、Oceania Cruisesの手の届く市場に、もう元R-Classはなかったのです... R Three、R Four、R Eightはカーニバル(実質プリンセス)に。 R Six、R SevenはRCI(この時点ではPullmanturですけどね)に... まぁ大手を向こうに回して、よくも3隻を集めたというべきでしょう。 特にこのR Fiveは、良くもぎ取ったというべきでしょうね。 2007年4月より、Oceania CruisesはApollo Managementの所有となっています。 コレが転機となり、Oceania CruisesはイタリアのFincantieri造船所(Sestre PonenteなのでGenoaです)と2隻の新造船(乗客1260名)建造の覚書の協定を結びました。 2隻の受け渡しは2011年1月と2011年7月に設定。 さらにこの契約は、2012年5月に引き渡される3隻目のオプションを含んでいます。 この時点で、新しいOceania Cruisesがスタートしたといって良いでしょうね。 つまりは"Renaissance Cruisesからの脱却"です。


以前、どこかで書きましたが、Renaissance CruisesのR-Classという船は、フランスのChantiers de l'Atlantiqueが作った小型クルーズ客船の傑作と評価している船です。
つまりはアルストームの文化といって良い船。
対して今回の新造船はイタリアのFincantieriです。
これはもう、文化の転換としか言いようがない出来事...

最近、こういうのが多いんですよね...
まぁ、造船業界の再編やら、船会社の統合なんかも絡んではいるんですが...

ご存知のように、すでにChantiers de l'Atlantiqueはアルストーム傘下ではなくSTXヨーロッパの傘下となっていて、つまりはAker Finyards(現在のSTX finyards)と同系列になってしまっている訳で。
本来ならChantiers de l'Atlantiqueへ発注してしかるべきなのが変わってしまった原因のひとつなんでしょうね。
同じようなケースで、例えばNCLのEPICって言う船がありますが...
これがなんとその元Chantiers de l'Atlantiqueである、STX Franceの製造...
NCLといえば、Star Cruiseとの連携後は、そのフリートのすべてがドイツのMeyer Werft製だったんですけど、ココへ来てのまさかの転換...Star離れの象徴ですね。
まぁ、こちらの場合は、もともとのNCLの船の多くがfinlandのWartsila造船所(現在のSTX finyards)の製造だったことを思えば、原点回帰といえるのかもしれませんが...
後はCUNARDですかね...
何でCUNARDの船がイタリアで作られなきゃならんのか...orz
QM2はまだ許せた(デザインは別として...Atlantique製です)んですが、QVと新QE(Fincantieriです。ただしMargheraなのでVenice )はどうにも...CUNARDの皮を被ったカーニバルにしか見えない...Linerじゃないし...(^^;)
※まぁCUNARDに限らず、VistaやSignatureを導入してる船社皆がそうなんですけどね。

まぁ、前提知識はコレくらいで...

まずは就航予想イラストを...


Marina

総トン:66,000 トン 船長:238.35 m 船幅:32.00 m 喫水:7.32 m 速度:20 ノット 乗客数:1,252 名 クルー:780 名

いかにもFincantieriらしい造形というか...
とくに船首ブリッジまわりなんか、いかにもFincantieriですよね...
後は全体的なプロポーション。
Atlantiqueってラインがシャープなんですけど、Fincantieriって柔らかいんです。
※参考までにAkerの私の印象は"丸い"です。
あきらかにAtlantique製の船とは違うラインですね。

デッキプランです。

良い感じです。
このサイズの高級船というとクリスタルクルーズが思い浮かびますが、よく研究してる設計だと思いますね...

さて、この船の投入が吉と出るか凶と出るか...
クリスタルはセレニティの投入によってキャパシティオーバーを招き、結局ハーモニーを手放す結果となりました。Oceania Cruisesはどうなるでしょうね...

前提でお話したように、コアなR-Classファンは存在するので、2隻は賄えると踏んでいるのですが、3隻はどうでしょう???
Renaissanceを知らないOceania Cruisesが出来てからのファンは、Marinaへの乗船を指向するのは明らかですから...

普通に考えると船齢の一番経っているInsignia(実際は殆ど差はない。InsigniaとRegattaは同じ。Nauticaで2年の差)かなとも思うのですが、私見では、一時期、他人(Renaissance Cruises以外という意味。R FiveはPullmanturで運航されてた時期があります)の手で運航されていたNauticaを手放すことになるのではないかと思っているのですが...

老婆心ながら...
ティーアンドティーさんって、"スモールシップ・アライアンス"、どうするんですかね?
Marinaはスモールシップと呼ぶには無理が有る船ですし...
しかももう一隻が確定。さらにオプションまである状態ですからね。
これで現在のR-Classを減らすようなことになれば、アライアンスのメンバーとしては不適?


P.S.

ちなみにMarinaに続く2隻目のOceania classの船名は"Riviera"です。


wag*h*i01*20129

与太爺さん、お早うございます!
造船所とか、船のスタイルのことになると全く範囲外のことなので、手に余ります。(汗)
この「Marina」大きさで言えば、RCIのMonarchを一回り下回るぐらいですか?
違いは、乗船客数とクルーの数が大きく違うような気がします。
Monarchは確か2千人以上の乗客なのに、クルーの数はこのMarinaとそんなに変わらないような?
乗客一人当たりのクルー比率、サービスのレベルの一つの指針ですよね…。

wagahaiさん、おはようございます。
記事中にも書きましたが、比較するならクリスタルセレニティでしょうね。ディメンションもよく似てるし。
RCIグループで言えば、セレブリティよりもまだ上のクラスになると思います。

>乗客一人当たりのクルー比率、サービスのレベルの一つの指針

おっしゃるとおりですね。まぁ絶対という訳でもないんですが...
カジュアルクラスとはあきらかに違う比率になりますね。

個人的には、この7万トン前後(5〜9くらいを含む)のクルーズ船って好きなんですよね...いわゆる"ツボ"です。

sai*l*rge11*

雑誌に掲載しても良さそうな記事でありますね。
お疲れ様です。。

saillarge119さん、こんにちは。
創立時からウォッチしてる船社ですからね...
ネタには事欠かない...(^^;)

cruise_qm2

今までシーボーンの1万トンクラスに乗っていた方が3万トンに
なると疲れるとおっしゃっています。
3万トンに慣れた方が6万トンだとどう評価するでしょうか?

cruise_qm2さん、おはようございます。
シーボーンはクルーズそのものがもう違う感じですからね。
船の大きさだけではないような気もします。

3万->6万は、飛鳥に慣れ親しんだ方が飛鳥2になってどう思ったかっていうあたりで代用できそうですね。
基本、すべての施設のスケールアップって言う感じになると思うので...セセコマサがなくなる感じ?
新機軸が追加されるようなイメージではない感じがします。

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