20分もかからず着いた僕達はそろそろ降り出した雨を気にしながらもギリシャ劇場を目指す。
石畳は濡れてより黒く光っている。
見学を終えて帰ってくる観光客達は左右にある土産屋の軒を借りながら雨をしのぐようにジグザグに跳ねながら先を急ぐ。
一本の傘。
しかも携帯用の小さくなる傘は一人入るのが関の山。
防雨性のゴアテックスでも寒く感じるほどの雨量になってきた。
そこを目指すまでもあるのかと萎えてくる雨量だ。
妻はどこに行ってもたくましい。
「せっかくここまで来たのだから」が要所ようしょで口から出る。
なんとも男らしい。
何度その言葉に背中を押されたことか。
幾らかのユーロを払って遺跡の跡に入ると一部分だけは雨宿りができる。
しかし雨宿りに来たわけでは無いのでその全貌をおさめに行く。
天気が良ければエトナ火山もこの劇場から見えるらしいが厚い雲が覆ったその劇場の切れ間には「次に観せてやる」また来いよ。
とでも言っていると思えば納得できるほどの雲。
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