新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず社会的、経済的な影響が発生し、新型コロナの影響は観光、運輸、流通だけでなくほぼ全産業に広がり、日に日に春の気配が強まっているにもかかわらず人通りが減り、活気が失われてしまった。
クルーズ業界においても世界各地でクルーズ船の運航が停止され、海外のクルーズメディアは、一斉に「クルーズ中止」を報じ始めた。コロナウイルスの影響でほぼ世界中のクルーズ船が運航休止に追い込まれている。
クルーズの経済効果とスケールメリット
米国に本拠を置くCLIA(クルーズライン国際協会)によるとクルーズ業界は約42万人の雇用を創出し、年間500億ドル(約5兆3,000億円)の経済効果を生み出しているらしい。 このCLIAから「今日からアメリカの港からの全てのクルーズを中止する」と衝撃的な発表がされてしまった。
とにかく新型コロナウイルスとクルーズ船の相性は悪過ぎる。 クルーズ船が世界中で休止に追い込まれる事になると経済損失や社会的影響は計り知れない。 今迄クルーズ船は大きくなればなる程、スケールメリットで乗船客数は増えクルーズ料金は安くなり、良い事ずくめで経済効果を発揮して成長を続けてきたと言える。しかし今度は逆にクルーズ船が大きくなり過ぎたがゆえに未曽有の困難に直面している。
客船の大型化による弱点が見えてきた
残念な事に3,700人の乗客、乗員が乗船していたダイヤモンド・プリンセスで発生した新型コロナウイルスの集団感染は世界を震撼させ、大型客船の弱点を露呈する結果となってしまった。クルーズ船にウイルスのように染みついたマイナスイメージは取り付いて離れてくれそうにない。
感染を防止するために乗客や乗員を隔離しようとしても何千人という人を収容できる陸上での適切な施設はそう簡単には見つからない。 仮に世界最大の22万トンを超すシンフォニー・オブ・ザ・シーズ級の船が寄港した場合は乗客乗員(7,000名超)を隔離しようしても、とてもではないとんでもないことになる。 カリブ海や地中海の港に大型客船が何隻も停泊する光景は壮観で素晴らしい。しかし もしこれらの船で揃って緊急事態が発生したらどんな事になるかと想像すると怖くなってしまう。
『大型客船の功罪』!?
アラスカクルーズにまで影響が
カナダ政府は500人超が乗るクルーズ船は6月末までカナダの港への入港を禁止し、大型クルーズ船は事実上アラスカクルーズが不可能になってしまった。 大きな船は何かあった時の対応が大変。昨今の状況からして今後は小型船の良さが見直されそうだ。
テレビや新聞は新型コロナウイルスによる感染防止のためのイベント中止や感染者数の報告ばかり。クルーズファンとしても一市民としても一刻も早く収束して明るい話題に変わって欲しいものである。今、世界中の人々が感染防止という同じ目標に向かっている。クルーズはこれまでもレジオネラ菌、ノロウイルス、インフルエンザ等の船内感染によるクルーズ休止等を乗り越えて現在のような発展を遂げている。安心安全な状態に戻り、クルーズ船が今まで通り正常に運航されるようになれば自然を満喫し、船内生活や寄港地観光を楽しみながらクルーズを満喫できるようになる。クルーズ愛好家は新型コロナウイルスには負けません。
世界中が一刻も早く『災い転じて福となす』状態になりますように。
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