ダイヤモンド・プリンセスに会いに鳥羽港へ
鳥羽では大型客船が入港した際、出港時にお見送りセレモニーとして、お見送りの遊覧船と大型客船の乗船客の双方で赤いハンカチを振り合う『リメンバー赤いハンカチ』が2002年に にっぽん丸が入港した時から脈々と行われている。 養殖真珠の生みの親であり、「真珠王」とも呼ばれた御木本幸吉が横浜港から渡米する時に船上でステッキの先に赤いハンカチを巻き付けて見送り客に向かって高く掲げたという逸話があり、赤いハンカチは鳥羽の歓迎出港セレモニーの中に、再会の約束として今も受け継がれている。
この度、ダイヤモンド・プリンセスが鳥羽に来港するというので鳥羽を訪れてみた。
世界でここだけ?和尚さんによる船客への接待!
鳥羽駅に着いて先ず目を見張ったのが、日本発着クルーズであるにもかかわらず殆どが外国人乗船客であること。それと官民一体となってダイヤモンド・プリンセスの乗船客におもてなししている光景である。何と歓迎イベントでは和尚さんが外国人観光客に無料で抹茶の接待し、写経や拓本の実演をしていた。和尚さんが歓迎イベントに登場したり、一般市民が遊覧船に乗って赤いハンカチを振りながらお見送りするようなセレモニーをしている港は世界中で鳥羽以外はないに違いない。 あらかじめ鳥羽市観光協会の呼びかけで学生ボランティアを中心に「鳥羽おもてなし隊」が結成されており、鳥羽のマリンターミナルでは、テンダーボートで上陸してくる乗船客をおもてなし隊がお出迎えし、観光案内をしたり乗船客に英語で話しかけて歓迎しており、経験を積み重ねてなかなか場慣れしているのには感心した。
世界でここだけ?和尚さんによる抹茶の接待
鳥羽に来たからと言ってオプショナルツアーで伊勢神宮に行かなくても、波止場から気軽に歩いて散策できる鳥羽水族館やミキモト真珠島といった観光名所や「鳥羽なかまち」のような昭和の面影が残る商店街もある。JRと近鉄の鳥羽駅も徒歩で行けてクルーズ客船の寄港地としては理想的である。 フェリーや遊覧船の乗り場はあるが、長大な桟橋もない鳥羽港は鳥羽湾内に大型客船を投錨させて、乗船客はテンダーボートで上陸する。鳥羽湾に投錨中のダイヤモンド・プリンセスは周りの風景とマッチして絵になり実に素晴らしい。
鳥羽市民の心からの歓迎の様子に感心
大型客船が入港しても地元に恩恵がないとの風評が一部であるが、鳥羽は受入れ体制のインフラが整っており、徒歩で市内散策ができたり、グルメしたりショッピングもできるので地元への経済効果も出ているようだ。 最近、「着地型観光」という用語がよく話題に出るが、クルーズ客船の寄港地観光のモデルとなるような魅力が鳥羽にはあり、市民も心から歓迎し、地域経済も活性化していると感じた。
遊覧船からダイヤモンド・プリンセスを見送る一般市民
ダイヤモンド・プリンセスと近鉄特急しまかぜのランデブー
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