9053号室
部屋に戻った僕たちは今まで撮ってきた写真を見直す。
数百枚のカウンターがファインダーの下の液晶画面に情報を伝える。
こんなに撮ったんだ、とこれだけしか撮っていなかったんだの入り混じる感情。
自宅のそれよりははるかに小さいソファで仲のいいカップルのように肩を並べて液晶を覗き合う。
こんなスタイルもこの船のおかげ?かもしれない。
あらためて来て良かったと自分に言い聞かせる。
テレビを点けるのは眠るのが惜しくなって来ているせだろうか。
番組で時間を確認することなどできないのに。
時間は何時だろうが構わなくなってきている。
時間より気になるのは明日の天気。
ここ2日ほど晴れ間を見ていない。
明日も太陽に恵まれなければ最終日を飾られる気がしない。
旅の終わりが近づいてきているせいだろうか。
はじめに近い日は天気よりも体験に心が踊っていたのに。
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