なんちゃってWASHOKUの行く末
昨今、文化の盗用という非常にわかりづらい訳語があちこちで出没している。直近ではキム カーダシアンのKIMONOというブランドの下着発売に際し、この言葉を初めて聞いた方も多いだろう。
要は多民族国家米国において、他国の文化を浅はかに使用して金儲けをするのはけしからん、という概念であるようだが、善良なる市民が白塗りメイクした娘に着物もどきを着せて、想像の賜物である日本式茶会を開催した写真をSNSに載せたところで炎上したとか。なかなか、線引きは微妙であるようだが、それを不快に思う人がいるのならやめましょう、ということらしい。
さて、プリンセスクルーズのホライゾンコートのビュッフェには、不思議な具材を揃えた寿司バー、ラーメンスタンド、蕎麦スタンドがある。日本発のクルーズで乗客も大半が日本人という中で、大半の日本人は文句を言うどころか、普通に食べている。さりとて、美味しいと思うかどうかは別の話。
私は正直、味噌ラーメンをみてぎょっとした。一口食べて嫌悪すら感じた。朝の味噌汁の残りに油を入れて、麺やわかめを添えたのではないかという代物だったからだ。ラーメンは水戸黄門が初めて食したとか、満州引揚者がもたらし、日本人の口に合うように進化していったと聞いたことがあり、長い歴史の中で、日本食化していったのだろう。もし、これまでも盗用と言われたら世知辛い限りだ。その上で、敢えていいたい。これが通常日本人が愛する味なのだと、世界の人に思われたら嫌だ。茶そばも、そば粉で作ったものかわからない。
ならば、日本風SUSHI、とか日本風Noodleとすればよいものを、堂々と日本語で寿司、ラーメン、そばと名乗っている。プリンセスは米国とオーストラリアの合弁会社であるようなので、いずれは、何らかの変化が見られるのかな?などと、次のクルーズに出発直前に考えた。
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