正直、この人の書く文章はあまり好きではないのですが....
なかでは一番マトモだったと思っている本です。
著者:米山 公啓
税込価格 : \600 (本体 : \571)
出版 : 幻冬舎
サイズ : 文庫 / 356p
ISBN : 4-87728-663-2
発行年月 : 1998.10
【概要】
大学病院を辞めたDr.米山は、世界豪華客船の旅へ出る。楽しいはずの夢の航海が、
塩辛いディナーと忙し過ぎるツアーの連続で一転、持ち前の好奇心が疼き出す。異様
に肥満した老人達の元気パワーに圧倒されたり、乗客達の身勝手な健康相談に辟易さ
せられながらも、気がつけば船中を観察し始めて…。誰も知らないワールドクルーズ
の意外な真実とは。
【目次】
三月一日東京・自宅にて—なぜ船に乗るか
三月二日出港地・横浜にて—徘徊する船小僧たち
三月四日鹿児島〜香港にて—大英肥満帝国
三月十一日シンガポールにて—東南アジアの新宿西口化
三月十二日マレーシア〜インドにて—営業努力するインドのヘビ使い
三月二十日UAEにて—夕暮れの洋上ジャグジー
三月二十六日ヨルダンにて—船上医療相談
三月二十七日エジプト〜イスラエルにて—エジプトのケイオス(混沌)
三月三十一日ギリシャにて—船上ダービー
四月三日スペインにて—大西洋波高し
四月七日帰港地・イギリスにて—途方に暮れる人々
大学病院のドクターだった著者が病院をやめて、なぜか世界一周の客船オリアナ号
に乗り込んで航海をしてしまった顛末記。
興味深いのは、著者がまったくもって船旅のシロートだったこと。故に、著者の異
なる文化へのとまどいや苛立ちが、比較的素直に語られていることに非常に共感が
が持てる文章になっている。
まぁ、船旅初心者が、よりにもよっていきなりイギリスの老舗船社であるP&O社の
いわばフラッグシップに乗り込んでしまったわけですから。かなり敷居が高かった
であろうことは想像がつくというもの。
エピソード的に目に付くのは、まずさを訴える食事のシーン。彼のクルーズにおけ
る食事というものの観念は、この時点で根付いたと見るべきでしょう。
この本は幻冬舎からの出版でしたが、この後、著者は海事プレス社と組むようにな
り、記事も提灯度が高くなってしまってつまらなくなってしまいました。
唯一、この本は一読をお奨めできる本だと思っています。
この本、読んでみたいんだけど、本屋さんに置いてるの見たことないんだよね。 ネットで探してみようかな。
amazon、yahoo、楽天等など...大手は在庫あるみたいですよ。
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