いわゆる暴露本というか、エピソード本というか...
その類の本です。
著者はQE2号の船医を長らく務めていた方で、ばしびぃの西丸船医に通じるものが在る
方でしょうか。西丸氏はご本人の意思とは関わらず、ある意味スター扱いですけど、
この方の立ち位置は少し違う感じですね。
QE2の船医さんといえば、実はQE2に乗船した時にカミさんがお世話になりました。
この本を書いた方ではありませんでしたけど。
実に感じの良いお医者さんでした。
「QE2—豪華客船の素顔の乗客たち」
ナイジェル ロバーツ (著), 玉置 順子 (翻訳)
価格: ¥1,631 (税込)
出版社: ティビーエス・ブリタニカ ; ISBN: 4484891301 ; (1989/12)
【目次】
1 海の上での医療
2 すべては、海の上で
3 海に浮かぶ上流社会
4 忘れえぬ人々
5 ちょっといい話
6 海のドラマ
【解説】
豪華客船「クイーンエリザベス2世号(QE2)」の船医であった著者が、船の上で出会
ったさまざまな緊急事態、華麗な船上生活と愛すべき乗客&風変わりな乗客たちについて
綴った回想録。
豪華客船での医療というと、船酔い程度の軽度なものしか起こらない、と思っている人が
多いようだが、決してそんなことはない。乗客乗員合わせて3000名近くの健康管理に、
船医2名をはじめとして、看護婦、薬剤師等あわせてわずか11名の医療スタッフがあた
る。緊急時には、手術も行わなければならない。
この本も、冒頭から、急患が出て、著者が船内アナウンスで呼び出されるところから始ま
る。いざアナウンスがあれば、優雅にディナーを楽しんでいようが、24時間ぶりに眠り
についたところであろうが、現場へ1秒でも早く、駆けつけなければならない。数秒の遅
れが、死を招くこともあるのだ。
華麗なカクテルドレスで装った看護婦も、例外ではない。ドレスやタキシード姿で患者の
そばにひざまずき、救命に当たらなければならないのだ。
一見華麗に思える船医の生活は、相乗以上に肉体的にも精神的にもハードなものだという
ことがわかる。
しかし、医療上の困難ばかりが描かれているわけではない。
著者の出会った、さまざまな人物についてのエピソードは、あるときは笑いを誘い、ある
ときは感動を呼び起こす。
船内の美容院に勤める若者は、この仕事が夢で、夢がかなって楽しくて仕方ないという。
小児白血病だった彼は、祖母に励まされ、病を克服した。そしていま、QE2で多くの有
名人たちと写真を撮り、祖母に送るととても喜んでくれるのだと。
それを聞いた著者は、若者を驚かせるべく、友人の有名人たちを招いてサプライズパーテ
ィーを催す。そのことを知った若者の感激・・・。
ほかにも、船上での避け得ない死や、呆けてしまった乗客への苦労など、さまざまなエピ
ソード満載である。
この本、私も持っていて先日久しぶりに読み返してみました。 ネタバレですが、ダイニングドクターテーブルでの「バンコック」には 苦笑しました。 日本でも最近AEDが普及してきていますが、QE2ではかなり前から (欧米人は心臓疾患が多いのかもしれませんが)対策が進んでいたのだと 思いました。
この本、船好きにはメジャーな存在だと思っていますが、発行が古いので、最近は目に触れる事がありません。 これを機に、皆さんが手に取ってくださればと思っています。
へェ〜、おもしろそうですね。なんか、ドラマにでもしたいような…。
この手の本って、映像化するのはたやすいでしょうね。
『事実は小説より奇なり...』
です...
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