この度初めて「クルーズ」というものを体験しました。 この旅行を一言で表現するなら、それは【驚き】です。
港に到着して、まず最初にクルーズ船の大きさに驚きました。 事前にいただいた船の案内に「総トン数93,558トン、全長294.1m、全幅32.0m、デッキ数15デッキ、乗客定員2,402人、乗組員数1,078人、客室数1,201室」という数字が載っていたので「大きいんだろうな~」とは想像していましたし、以前から写真やテレビでクルーズ船というものを拝見してはいましたが、実際目の当たりして想像を超えたその壮大さに圧倒されるばかりでした。 寄港する度、その全貌をなんとかカメラに収められないかと何度もチャレンジしたのですが…これがなかなか難しいのです。 外観もですが船内も驚きの連続でした。終日航海日には、船内探検と称して船首から船尾まで何度も歩いてはみたのですが、時々自分がどこにいるのかわからなくなることも多々ありました。しかしそれは決して不安ではなく、むしろワクワク感一杯でした。 クルーズ船の上にプールがあるのは当たり前のようですが、ウォータースライダーまであり、船首には操舵室が眺められる部屋もあります。船内を歩く度に新しい発見があり大興奮でした。
船内施設も色々利用させていただきました。 食事は、朝・昼・晩、三食全て堪能しました。普段、特に朝は時間が無くて適当に済ますことや抜くこともあるのですが、クルーズ中は違いました。朝からビュッフェに行って、実によく食べました。メインダイニングに行ってもメニューはバラエティーに富んでいましたし、味もとても美味でした。 少々食べ過ぎてしまったな…と思っても、それを解消する設備・施設が整っていたことも素晴らしいと思います。プールやジャグジーは勿論、ジョギングコースやバスケットコート、フィットネスセンターのランニングマシン等々楽しく利用させていただきました。楽しいと言えば「巨大なチェス」。あれは笑ってしまいました。
生演奏が楽しめる雰囲気の良いバー、大きな窓があり開放的でゆっくりできるラウンジやライブラリーもあり、自分のペースで楽しむことができました。 服装にも堅苦しいルールはなく、カジュアルな普段着でOKでしたので、とてもリラックスして過ごすことができました。 「広い船内には何でもアリ」と聞いてはいましたが、「スターダスト シアター」には本当に驚いてしまいました。そして毎晩繰り広げられる本格的なショーの数々。歌ありダンスありマジックありと、すべてが感動でした。中でも特に感激したのがクルーの皆さんによる「インターナショナルクルー タレントショー」でした。客席総てを巻き込んでの「美しく青きドナウ」、5人のオリンポスの神々(?)による「水芸」…心から楽しませていただきました。本業ではないのに凄いです。
忘れてはならない毎日の楽しみ。それは部屋で帰りを待っていてくれるタオルの動物たちです。決して複雑な作りではないのに、どうしてあんなに可愛らしくできるのでしょう。一度講習会に参加して、折り方(捻り方?)を教わり自分でも試してみました。その時はペンギンだったのですが、なんとか形になったものの、どうやっても立ってくれません。キチンと安定しないのです。そこにクルーの皆さんの技術と愛情を感じました。 毎日部屋をきれいにしてくれるだけでなく、こんな楽しいサービスまでしてくれるクルーに大感謝です。
今の私が「存在」するのは両親のおかげです。その父は25年前、母も7年前に他界いたしました。しかし今も未熟な私を見守ってくれています。そのことを忘れぬ為に2人の写真を常に持ち歩いています。今回のクルーズ中に、キャプテンと写真を撮る機会に恵まれました。その時「両親も一緒に」という勝手な申し出を快く受けていただき、感謝の念に堪えません。記念の写真は「フォトギャラリー」で購入し、家に大切に飾っています。本当にありがとうございました。
船内の事ばかり書いてしまいましたが、寄港地でも色々な体験をさせていただきました。 今回のクルーズコースは、ベニスを出港し、ドゥブロヴニク、ピレウス、サントリーニ島、スプリットをまわってベニスに戻ってくるというもので、途中2回終日航海があり、クルーズが初めての私にとっては大変バランスが良かったです。 クロアチアもギリシャも、日本では考えられない程の悠久の時を過ごしてきた国。その歴史を物語る建造物の数々。そしてその中に暮らす、ごく普通の人々。悲しい紛争によって失われてしまったもの。「どこまでも澄んだ青い海と空にばかり気を取られていてはいけない」ということも教えられたような気がします。
最後になりましたが、部屋のバルコニーからあんなに美しい北斗七星とカシオペア座を観ることができたこと、とてもラッキーでした。 楽しいクルーズを手配してくださったIACEトラベル様に感謝しております。