パリはフランスではない
とは、私の知っているフランス人がよく言う言葉であるが、一般的に日本人はフランスというとパリ、モード、美食、ワイン、芸術、etc.がイメージとして構築されている。これは例えるに日本といえば、フジヤマ、ゲイシャというようなものだ。フランスの地方というのは、誇り高い伝統や文化がありインフラ整備も、都会の真似をしようとはしない。田舎は田舎でいいもんね、ていう感じだ。どうも日本は新幹線の駅でも空港でもどこにいっても似たようにデザインして失敗する傾向にあると勝手に思っている。
フランス船はドレスコードの敷居が高いのではという声を聴くが、帆船にしろリリアルにしろ、いわゆるモードな乗客はほんの一握りいるかいないか。MSCと比べると全般的に洗練された服装の人が多いが、決して流行を追っているわけではない。リゾートというコンセプトを適当に咀嚼して、何よりサイズの合った服を着ている。ただそれだけだ。
日本の着物文化というのは素晴らしい。季節やTPOに合わせた直線仕立ての着物を、着る人が自分にフィットするように着付けるのだ。皺や着崩れを互いに直す習慣、柄と柄を合わせ、襟の開き、抜き加減や帯の位置、帯揚げの分量などでさりげなく自己主張する、元来、サイズや着こなしをとても重視する文化を大切にしてきたはずなのに、洋装となると、まずサイズ感が合ってない人が多い。年齢にかかわらずである。フランス人が全般的に洗練されてみえるのはサイズ感と全体のバランスを大切にしているからではないか、と、ふと、周りを見回したときに思った。
ポナンはカジュアルなプレミアム船なのでフォーマルナイトもリゾートフォーマル。かしこまりすぎる人はいない。その抜け感が最高におしゃれなのだ。
コメントを投稿する
コメントを書く