カーニバル・コーポレーション、クルーズ船における排出ガス低減技術の支援を受ける

カーニバル・コーポレーションは、クルーズ船や大型船舶からの排気ガスを削減するための画期的な技術を導入するため、米国環境保護庁（EPA）、米国沿岸警備隊、カナダ運輸省から支援を受けたことを発表しました。カーニバルは、北米の排出規制地域（ECA）内を航行する様々な子会社の32隻に排ガス浄化技術を導入するために、1億8000万ドル以上を拠出しました。この新世代の「スクラバー技術」は、硫黄の除去に加え、粒子状物質やブラックカーボンの大幅な削減を組み合わせたものです。

国際海事機関のMARPOL Annex VIでは、ECA内の硫黄含有量を1％と定めており（2012年から実施）、2015年には0.1％に引き下げられる予定であるため、本格運用となれば、この技術を搭載した船はECA基準を上回ることになります。カーニバル社の設計は、発電所や工場、自動車などで使用されている、硫黄分の高い燃料から排気を浄化する2つの確立した技術を組み合わせたものです。また、この技術により燃料費が軽減され、空気がきれいになることで大気環境の改善につながるため、公衆衛生上のメリットも大きいと考えられます。

さらに、スクラバー技術を搭載した船舶は、米国やカナダの港に入港する際、低硫黄の船舶用ガスオイルや陸上電力を使用し、排出量をさらに削減します。カーニバル社は、今後、スクラバー技術の搭載を当初の32隻以外にも拡大する可能性を検討する予定です。