MSCクルーズジャパン代表取締役社長 オリビエロ・モレッリ氏が語る「クルーズの魅力」と「MSCバブル」
2021年3月20日に山口県下関市の下関グランドホテルにおいて、下関港湾協会、下関市、山口県の共催により「下関港クルーズセミナー2021」と題してクルーズセミナーが開催された。
当日は基調講演と国内外の船社関係者によるパネルディスカッションがおこなわれ、コロナ渦におけるクルーズ運航についての各社の取り組みや、今後の業界展望などの意見交換がなされた。
★株式会社MSCクルーズジャパン 代表取締役社長 オリビエロ・モレッリ氏が「クルーズの魅力」と題して基調講演をおこなった様子をお送りします。
2021年3月20日@下関グランドホテル
(談:司会)MSCクルーズジャパンのオリビエロ・モレッリ様に、「 クルーズの魅力」と題しまして基調講演をおこなっていただきます。
それではオリビエロ・モレッリ様を盛大な拍手でお迎えください。
(談:オリビエロ・モレッリ氏)皆様、こんにちは。本日は本当にお忙しい中ありがとうございます。
(談:通訳)まず最初にこの場を提供していただきました下関市と、本日お集まりいただいた皆様に感謝を申し上げたいと思います。
本日(これから)プレゼンテーションをされる、インターナショナルのクルーズラインの方々、国内のクルーズラインの方々、山口県の政府関係の方々、国土交通省のご来賓の方々に感謝を申し上げたいと思います。
講演をおこなうオリビエロ・モレッリ氏
1. MSCクルーズとはどのような企業か
まず最初に、MSCクルーズ、そしてMSCグループについて簡単にご紹介させていただきます。
MSCグループは比較的新しい企業で、1970年にジャンルイジ・アポンテ氏によって創業されました。 グループ会社として、カーゴ、クルーズ、ターミナル、フェリー、ロジスティックの多岐にわたるビジネスを手がけています。
女優ソフィアローレンと創設者のジャンルイジ・アポンテ氏
MSCグループについての説明
1-1. 歴史あるグループ企業
我々MSCクルーズは歴史ある、家族経営の企業として、最大のグループ企業であると思っています。
クルーズブランドとしては、世界でナンバー3となっています。
我々は全ての大陸に向けて運行しており、海に対して、情熱、リスペクトを常に忘れず、日々働いています。
当日はMSCクルーズのブースも設けられた
2. サスティナブルな最新客船
今後10年でLNG客船9隻の客船をローンチする予定となっております。 可能な限り、環境負荷を減らすための努力を続けていきます。
環境負荷をできるだけ抑えた新型客船
2-1. 環境負荷を抑えた最新客船を造船
環境負荷に関しては、航行中だけではなく、停留中に関しても環境負荷を減らすよう、水質保全、燃料排出などの全てに対して心を配って努力を続けていきます。
さて、今年は皆様にとって、特に観光に携わる方々にとって大変難しい年であると思います。
MSCクルーズとしての直近のゴールは、2021年の夏までにクルーズを再開することです。 継続的に新造船についても投資していく予定です。 新たなラグジュアリー・ブランドについても発表していく予定となっています。 2021年には2隻の客船、MSCヴィルトゥオーサ、MSCシーショアがデビューする予定となっています。
2021年5月に就航したMSCヴィルトゥオーサ
2021年8月に就航したMSCシーショア
これらを達成するために、乗客のみなさまはもちろん、乗員についても安全安心を確保して運行に取り組んでいきます。
3. MSCクルーズが提唱するMSCバブルとは
3-1. 予約から帰宅までをケアすることが重要
クルーズの予約から、クルーズ乗船中、すべてにおいて責任を持って対応をさせていただきます。
クルーズ旅行終了後に家に帰るまでの追跡というのも重要だと考えています。
MSCクルーズの乗客受け入れに関して、いくつか紹介させていただきます。
予約から帰宅までの追跡の重要性
MSCクルーズの衛生プロトコル
3-2. 全乗客乗員に対してのPCR検査
まず一番最初にコロナウィルスの検査をお客様だけでなく、クルーに対しても行います。 また、空調システムについても新たに見直し、清浄な空気を外から取り込むことを100%達成するようにしました。
船内の空調システム他
3-3. 最新の医療システムと「MSCバブル」の実現
最新の医療システムも導入しています。 これらを総称して「MSCバブル」というシステムを作り上げました。
3-4. ウェアラブル端末を駆使して安全を確保
まず最初に、GPSがついたデバイス(ブレスレット型)を紹介させていただきます。 とてもシンプルなシステムとなっていて、全ての乗客乗員の濃厚接触度が分かるものとなっています。 このデバイスは乗船カードとして、支払いができる端末として、そしてルームキーとしても活用できます。
**ウェアラブル端末MSCフォー・ミー
リストバンド型のウェアラブル端末
「MSCバブル」について詳しくご説明いたします。
3-5. MSCエクスカーションという取り組み
MSCバブル、セーフバブルを成り立たせるために、全乗客、全乗員に対してPCR等のテストをしていただきます。 このバブルを実現させるためには、乗船時はもちろん、エクスカーション時についても重要だと考えています。
MSCエクスカーションのバスドライバー、エクスカーションで訪れるレストラン、美術館などの方にもテストを受けていただき、MSCがコントロールできる環境を作ります。
こういった作業は大変ハードで負荷がかかることではありますが、実際にこれらをやったことによって、どのような結果が出たかを紹介したいと思います。
3-6. MSCグランディオーサによる成功事例の紹介
次に紹介しますのは、2020年8月「MSCグランディオーサ」による地中海クルーズでのクルーズについてです。
MSCグランディオーサによるクルーズ
MSCグランディオーサ
MSCグランディオーサでは25回以上のクルーズで、述べ50,000名以上の乗客を乗せてきました。 これらを達成できたのは、MSCのスタッフだけでなく、イタリアやマルタなどの寄港地、そして乗客の方々の協力があったからです。
これからそのVTRを見ていただきます。
(VTRを流す)
当日は満席の盛況ぶり
MSCクルーズの安心安全への取り組みを紹介するオリビエロ氏
MSCグランディオーサによる、MSCクルーズの安全安心のためにおこなわれるテクニカルな部分をお見せ致しました。 こういった作業が、これからみなさんに笑顔でクルーズを楽しんでいただくために必要となることです。
これらをおこなうことによって、これまでみなさんに楽しんでいただいてきたアクティビティやショーなどをお楽しみいただく事が出来ます。
アクアパークやスパ、スイミングプールやサウナも楽しんでいただく事が出来ます。
プール/MSCグランディオーサ
ウォータースライダー/MSCグランディオーサ
アウレア・スパ/MSCグランディオーサ
安全対策をしっかりとるのでプールも安心して利用できる
最後に食事に関してです。
ブッフェもみなさんに楽しんでいただくために、紙のメニューではなく、QRコードを利用したメニューを提供し、安全に食事を楽しんでいただけるよう配慮しています。
新たな食の安心への取り組み
以上となります。 ご静聴ありがとうございました。
4. まとめ
以上、MSCクルーズジャパン代表取締役社長オリビエロ・モレッリ氏による、「下関港クルーズセミナー2021」の基調講演をお伝えいたしました。
当日はほぼ満席で、コロナ渦におこなわれたクルーズセミナーという状況の中でも、クルーズに関する注目度の高さが窺えました。
オリビエロ氏の話の中で、2020年8月に客船グランディオーサで乗客を乗せておこなった地中海クルーズが取り上げられた際には、その中で流れたVTRを出席者が興味深そうに目を向けていた様子が大変印象的でした。
今回発信された情報などを基に、MSCクルーズがおこなっている感染症対策について、一般のクルーズ愛好家の方々に向け、積極的に、より分かりやすく発信していきたいと思います。
※ 記事内に紹介されているクルーズ船や寄港地の情報については、記事執筆者の経験や情報収集に基づいた参考情報であり、実際の内容と異なる場合や、内容が変更されている場合があります。
※ 最新の情報については船会社や港湾の公式ホームページのご確認や、ご予約に利用される旅行代理店へのご確認をお願いします。