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クルーズマンズではじめよう
*2024/6現在の情報で、回答をアップデートしました。*
カジノ目的でクルーズ船に乗っている者です。
最低限の準備は、どのゲームをするか決められる程度のゲームの知識でしょう。
カジノには、スロットマシンのようなゲーム機相手のものと、ディーラー相手のブラックジャックやバカラ、お客同士が対戦するテキサスホールデム(ポーカーの一種)等、様々なタイプのゲームがあります。主要なゲームについて多少でも知っておくと、船上で迷って貴重な時間を無駄にすることを避けられます。
クルーズ船のカジノだと、その規模が小さいとゲームの種類が限られてしまうことがありますが、ブラックジャックやルーレットはどこでもあるポピュラーなテーブルゲームです。最低限、いずれかのルールをネット等で下調べしておくことをオススメします。
ちなみに、初心者の方は、敷居の低さでスロットマシンを選んでしまう人が多い気がします。ディーラー相手は気が引けるという人が多いでしょう。しかし、カジノの醍醐味は、ディーラーとのやり取りだと思います。これが特にクルーズ船のカジノとなると、毎日同じテーブルで顔を合わせるプレイヤーやデイーラーと馴染みとなり、社交場としての楽しみ方が出来るようになります。これは、陸のカジノには無い楽しみ方です。是非、消極的にならず、ブラックジャック等のテーブルゲームにチャレンジされることをオススメします。なお、日本で人気のテキサスホールデムは、無いことも多いです。代わりにスリーカードポーカーがあったりします。
船によっては、カジノで初心者向けの無料レッスンが開かれることがあるので、乗船したら船内新聞をチェックすることもお忘れなく。他のお客がプレイしていると、なかなかゲームを止めて質問するのは難しいかもしれませんが、ディーラーは初心者に親切ですから、質問すれば色々と教えてくれます。不安ならスマホ等の無料ゲームアプリで遊んでおくと、基本的なルールは理解できるでしょう。
もし、最低限ではなく、しっかりとカジノを楽しむを準備したいという場合は、日本でも合法なアミューズメントカジノが流行っていてお店が沢山あるので、ご近所のアミューズメントカジノを探して、ブラックジャック等を体験しておくとよろしいでしょう。現金がかけられない単なるお遊びですが、ゲームのルールはリアルカジノと同様で、ディーラーも日本人なので、練習には最適です。お台場のデックス東京ビーチ等にあるアミューズメントカジノでは、海外カジノ渡航者に最適なレッスンプログラムもあります。
外国船籍のリアルカジノでは、軍資金の準備の仕方も重要です。
クルーズ船によって、香港ドルやUSドル、ユーロ等船内通貨が異なりますが、どこで円から両替すべきかは、様々です。カジノ内のキャッシャーで外貨の両替が出来る場合と、レセプションでのみ両替できる場合、どちらでも両替できるがカジノのキャッシャーの方が両替レートが良い場合等があります。
欧米のクルーズ会社の場合、レセプションだろうとカジノのキャッシャーであろうと両替レートは同じで、しかもかなり悪い場合が多いので、乗船前に両替しておくと良いです。
それに対し、コロナの間に倒産してしまったアジアのスタークルーズやドリームクルーズは、カジノの運営が独立しており、カジノ内のキャッシャーの両替レートが船のレセプションと異なったりしました。しかも、このカジノは両替レートがとても良かった。乗船前に外貨を準備するより、カジノのキャッシャーで両替した方がお得な場合もありました。
カジノには、ATMがある船もあります。海外ATMで出金できるクレジットカードやキャッシュカードがあれば、船内通貨で出金可能です。欧米のクルーズ船のように現金の両替レートが悪い船では、ATMで手数料を払ってでも出金した方がお得ということは多々あります。
なお、船内通貨の紙幣は、ディーラーがテーブルでチェック(ゲームチップ)に交換してくれるので、必ずしもキャッシャーでチェックにしておく必要はありません。ただしディーラーは、プレイヤーから直接手渡しで現金やチェックを受け取ることを、(不正が生じやすいので)厳格に禁じられています。初心者の方は、丁寧に手渡ししようとしてしまいますが、断られますので、必ずテーブル上に置くようにして下さい。紙幣等をテーブル上のディーラーの手の届く範囲に置いて着席すれば、それをチェックに交換する意図だと分かりますので、何も言わなくともディーラーは対応してくれます。
船内の通常の支払いと同様、ルームキーカードで船内会計に加算される形で、カジノのゲームテーブルやキャッシャー等でチェックを購入できます。(スロットマシン等であれば、専用の差し込み口にルームキーカードを挿入することで、画面上から希望金額をマシンにチャージし遊べることもありますが、初回はパスコードの設定が必要だったりします。) これは、チェックを「買う」扱いなので、船内会計の清算にクレジットカードを登録している場合、キャッシングではなく、ショッピング枠で請求されます。また、カジノのキャッシャーでは、直接クレジットカードからもチェックを購入できますが、これもショッピング枠で請求されるので、ATMでのキャッシングのように利息を請求されることは無い(以前、NCLでは3%の手数料を余計に取られましたが、手数料無料が一般的だと思います)ですし、キャッシング枠が無いようなショッピング専用のクレジットカードでも構いません。 ただしルームキーカードでは、1日あたりや1航海あたりの上限金額があるので、大きく遊びたい方はご注意を。船内での支払いが一定額を超えると、クルーズの途中でもカード会社に請求されたりするので、下船後の日付でカード会社に請求が上がる前提でクレジットカードの支払日を計算していると、思っていたのより前の月に支払日がやってくることもあるでしょう。高額な支払いが累積すると、クルーズ途中でレセプションから呼び出され、その時点までの合計額をカード会社へ請求することに同意するサインを求められたりします。
多くのクルーズ船では、ゲームをする際にルームキーカードをテーブルでディーラーに渡します。スロットマシン等であれば、マシンにカード差し込み口があったりします。
これによりカジノは、どのお客がどれ位遊んだか把握し、それに応じて特典を付与したりします。
MSCであれば、ドリームポイントというものが貯まり、500ポイント毎にスロットマシンで5ドル分フリープレイ、1500ポイントで次回クルーズ10%引き、最大9999ポイントで無料クルーズの特典が得られる等があります。(以前スプレンディダに乗船した際は、少ないポイントはマグカップやトートバッグ等に交換してもらえたのですが、ベリッシマではグッズ交換は無いと言われました。)このポイントは当該クルーズ限りで、どんなに貯めていても交換せずにクルーズが終了したら消滅してしまいますので、必ず乗船中のカジノ営業時間に有効活用しなければなりません。
対して、NCLのCasinos At Seaのように、オーシャニア クルーズ、リージェントセブンシーズクルーズ等関係があるクルーズラインと共通してポイントを貯めることができるPlayers Clubが存在する場合もあります。
https://www.ncl.com/in/en/why-cruise-norwegian/casino-cruise/players-club
Casinos At Seaへは、カジノでルームキーカードを提示してプレイすれば自動的に入会扱いとなるようで、ポイントも貯まります。(私自身、NCLは一度しか乗船したことが無いのですが、乗船時に特にCasinos At Seaの入会申し込み等していないのに、NCLのホームページから自分のアカウント情報にアクセスすると、過去の乗船歴等と一緒に、何年にどの船でいくら勝ったか負けたか分かる「WIN / LOSS STATEMENT」にアクセスできることに最近気付きました。)この場合、下船後も一定期間はポイントが維持され、会員レベルに応じて次回以降の他船のクルーズでも特典を活かせます。(一定期間経過後は、ポイントが消滅してしまいます。)
また、以下はコロナの間に倒産してしまったクルーズラインの話なので、復活したリゾート・ワールド・クルーズでどうカジノが運営されているか、現状は私も存じないのですが、かつてのゲンティン系列のスタークルーズやドリームクルーズのResorts World at Sea等のように、統一したカジノブランドが系列の船会社をまたいで運営されており、カジノ専用の会員証を作っていないと遊べないということもありました。この場合、ルームキーカードをディーラーに見せても、Resorts World at Seaの会員証を作るよう言われますので、カジノのメンバーズデスクへ最初に行く必要があります。ここで作った会員証は、スタークルーズとドリームクルーズのカジノで共通して使用でき、以降の乗船時も持参する必要あありました。貯めたポイントで、船内の買い物をしたり、無料クルーズに招待されたりしたことがあります。
以上のように、船会社によってカードの扱いは様々ですが、いずれにしても遊ぶ前に何等かのカードを提示すること無しに、カジノの特典を得ることは出来ません。スロットマシン等は自分がカード挿入を忘れることがあるでしょうし、稀にディーラーも忘れていて、カードの提示無しにテーブルゲームを開始出来てしまうことがありますが、特典を得る機会を失うのはプレイヤーです。
プレイしたいゲームが決まっていても、カジノには同じゲームのテーブルが複数あったりするので迷います。特に、同じゲームなのに、満席のテーブルとお客がいないテーブルがある場合、そこには理由があるのでご注意を。
テーブルゲームは全て、ミニマムベット(最低掛金)とマキシマムベット(最高掛金)が定められており、これはテーブル上に置かれているプレート等で明示されているので、ゲーム前に確認が必須です。お客が少ないテーブルは、最低掛金が高額な場合が多いです。
少額で遊ぶつもりで座って、チェックを受け取った後、ゲームを開始する段になって、自分の掛け金が足りないとディーラーに指摘されると、初心者の方は慌てるかもしれません。そこで辞められれば良いですが、恥ずかしくてズルズルと高額でプレイしてしまい瞬時にゲーム終了というのは、避けたい事態です。テーブルを決める際に、最低掛金が自分の許容範囲か確認することをお忘れなく。
ちなみに、ブラックジャックで比較すると、MSCスプレンディダでは最低掛金がUSD25とUSD50の2種類のテーブルがありました。ボイジャー・オブ・ザ・シーズでは、USD10とUSD15がありましたが、低額なテーブルはゲームのルール自体が通常より改悪されてました。悪いルールで遊ぶよりは、少し高い掛金で遊ぶという選択もあるでしょう。ダイヤモンドプリンセスでは、私が乗船した際はUSD6という中途半端な最低掛金のテーブルしかありませんでしたが、テーブル毎のルールの違いはありました。クイーン・エリザベスでは、最低賭金USD5とUSD25のテーブルがあり、どちらも同じルールで、その内容もプレイヤーに不利になるような小手先の改悪は無く、とても紳士的でした。
(ブラックジャックはカジノによって微妙にルールがカスタマイズされていることが多々あります。ローカルルールはテーブルにプリントされていたり、卓上の案内板に小さな文字で書かれていたりしますので、自分の知ってるルールと違うと思ったらディーラーに聞いても良いですし、不安な場合はカジノがクローズしている時間帯にテーブルをじっくり見てルールを確認すると良いでしょう。)
船内アカウントで自動徴収されるサービスチャージは、カジノのディーラーには渡りません。なので、テーブルゲームで大きく勝った際や、楽しませてくれたディーラーには、チップを渡すと喜ばれます。その際、普通のチップのように現金で渡す必要は無く、チェック(ゲームチップ)で払うのが一般的です。テーブルゲームで使用している手持ちのチェックの中から、端数等を渡す人が多いです。
ただしこのチップは、渡した相手が全て受け取るのではなく、他のプレイヤーからのチップと合算され、カジノの他のスタッフと平等に分配されるとか、そもそもディーラーへのチップを禁止している船上カジノもあります。これは、ディーラーとプレイヤーの癒着を防ぐ目的で、クルーズ船一般の他のチップとは扱いが異なります。私がディーラーから聞いた話では、下船時にディーラー名を書いた封筒数通に各USD100入れて届けてくれた乗客がいたそうですが、それも、名指しされていないカジノの他のスタッフと共に、平等に分け合ったそうです。(NCLのカジノでチップを渡すと、渡されたディーラーが音頭を取って、カジノ全体の他のテーブルのディーラーが呼応してお礼の合図をしてくれたりしたことがありますが、皆で分配するなら納得ですね。)
なお、チップの金額に相場はありません。少額を頻繁にコツコツ渡す人もいれば、ゲーム終了時にまとまった金額を渡す人もいます。また渡し方は、渡したい金額を直接渡す方法が一般的ですが、ブラックジャックであればゲームの賭け金としてチップを賭けるという方法もあります。自分の賭け金と別であることが分かるように、賭け枠の前方にチップ用のチェックを置くだけです。これで、「このお客はチップを賭けてくれたから、勝ってくれれば勝ち金が配当された合計額がチップとしてもらえる。よし、一緒に勝とう!」とディーラーは分かってくれます。負けたらチップ無しなので、少し申し訳ない気持ちになりますが、ディーラーと仲良くなるにはとても有効です。
私はブラックジャックが好きなので、ブラックジャックについてだけ補足しますと、なるべく負けないためには、「ベーシックストラテジー」というものが重要です。ネットで検索すれば出てくると思いますが、ベーシックストラテジーを覚えると、ブラックジャックは楽しさが倍増します。これは、ディーラーのカードとプレイヤーのカードの組み合わせを確率的に見て、次にプレイヤーがどう振る舞うべきかを一覧表にしたものです。覚えるのが大変な人は、予め紙に印刷してカジノに持参すると良いです。 テーブルでベーシックストラテジーを見ながらブラックジャックをプレイしても構いません。すると、あからさまに初心者と分かるので、ディーラーが親切にアドバイスしてくれたりします。(ただし、多くのカジノではテーブルでのスマホ利用が禁止されているので、検索したベーシックストラテジーをスマホで見ながらプレイすることは出来ません。)
以上、長々と書くと面倒な感じですが、分からなくても、詳しそうなプレイヤーに質問して仲良くなるというのも、クルーズならではだと思います。毎晩、見覚えのあるメンバーでゲームを共にすると、自然と仲間意識がわき、皆で盛り上がれます。「ゲーム選び」にも書いた通り、陸のカジノと船のカジノの最大の違いが、この社交場としての機能です。経験上、初心者に教えたがるプレイヤーは多いです。旅の恥はかき捨て。せっかくですから、船のカジノを楽しめる人が増えると良いなと思います。