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クルーズマンズではじめよう
以下、今年1月24日日経電子版の記事抜粋です。
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日本郵船は24日、子会社の郵船クルーズ(横浜市)の株式50%分を船舶系投資ファンドのアンカー・シップ・パートナーズ(東京・中央)に売却すると発表した。2018年度中の売却予定で売却額は非公表。郵船クルーズを巡っては豪華客船「飛鳥2」の老朽化問題に直面しており、売却で得た資金を今後どう投資するか、注目が集まる。
日本郵船はアンカー・シップ・パートナーズと、同社が出資する特定目的会社に郵船クルーズ株の50%を売却する。日本郵船は19年3月期に連結ベースで80億円の特別利益を計上する見通し。
日本郵船は「売却益の使い道は検討中だが、クルーズ船事業を手放すことは考えていない」という。しかし、同社にとって、クルーズ船は中長期的な優先事業に位置付けられていない。主力の液化天然ガス(LNG)などの輸送事業と比べ収益性が見劣りするからだ。
一方、日本のクルーズ人口が17年に初めて30万人を突破するなど、カジュアルなクルーズ船を中心に国内でも人気が高まっている。ただ、飛鳥2は1990年に建造され、老朽化が目立つ。
今後も同船で運航を継続させる場合は大規模な改修が必要になる。「飛鳥2」クラスの客船を新たに造る場合は、数百億円の費用がかかるとみられる。
日本郵船は18年3月期の自己資本比率が連結ベースで26.6%。直近10年間で最も高い16年3月期と比べ7.9ポイント低下した。19年3月期は2期ぶりに最終赤字に転落する見通し。
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この記事が出たのは1月でファンドの払い込みが終わったのが、3月です。ファンドへの売却が、2018年度決算の数字作りであったことは間違い無いと思いますが、飛鳥3は諦めてはいないでしょう。同じく日経の2月26日の電子版。
~~~~~~~~~~~~~~~~~抜粋
日本郵船は豪華客船「飛鳥2」の後継船を建造し、2020年代半ばにも投入する。建造費は最大600億円に上る見込みだ。既存船も運航を継続して2隻体制にする。日本でもクルーズ旅行の市場が広がり、米系など外資の参入が活発になっている。今後も豊かなシニア層などの消費を取り込むため、企業の積極的な投資が広がりそうだ。
飛鳥2は日本を代表する豪華客船だが、1990年の建造で老朽化している。郵船は過去に新船建造を検討したものの、主力の貨物事業の苦戦で先送りした経緯がある。高額旅行市場の活況を受けてクルーズ事業の採算が取れると判断した。
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うーん?!日経の記事の信ぴょう性はさて置き、このような話題が出ていることは事実でしょう。では、郵船クルーズの株を買った、アンカーシップパートナーズとは何者?また、「アンカー・シップ・パートナーズと、同社が出資する特定目的会社に郵船クルーズ株の50%を売却。」となっていますね。同社が出資する特定目的会社?アンカーシップパートナーズが買ったのでは無いの?色々疑問が出てきます。
アンカーシップのWeb Pageのニュース欄です。
https://www.anchor-ship.com/news/index_files/1905asuka01.html
とりあえず、2020年の1月からシンガポールのセンブコープで改装工事のようですね。記事は5月16日付の海事プレスのものです。その下には海事新聞がもう少し詳しく書いています。関係するところだけをスクリーンショットで。
拡大しないと見えませんが、阪本社長談で、ファンドが入ってファイナンス面での制約が小さくなったとあり、最後のところで、日本郵船の持ち分法適用会社に移行が大きい。資産・負債計上化しない他、資金調達面でもアンカーが地方銀行から。との記載。つまり、赤字となった日本郵船は、本体の財務立て直しが急務なのでクルーズ船にまで手が回らない。しかし、飛鳥IIは古くなってきており、待ったなしの状態。ということで、とりあえずファンドに株を売りファンドの金を使って、センブコープで改装して、排ガス規制を通して内装を綺麗にして延命を図る。さらに、ファンド管理会社を通じて、地銀のお金を持ってきて、飛鳥IIIにつなげたい。ということでしょう。
そうなるとアンケーシップパートナーズが誰かということになりますが、経営陣を見ると、基本的には興銀(現在のみずほ)でシップファイナンスをやっていた人たち、こちらに商社(日商岩井)の船舶部の方や、シップファイナンスにプロジェクトファイナンス手法を持ち込んだ方など、船のファイナンスのプロの方々が集まり、アドバイザリーボードに船会社3社(NYK.MOL.K-LINE)の元幹部が入っておられます。ファンドはすでに4号ファンドのようですね。飛鳥IIIが動くことになれば、4号の枠に中に入るのか、5号ファンドができるのでしょうか。何れにしてもミドルリスクを取れる投資家に参加してもらうことによって飛鳥IIIの計画は進んでいると感じます。
2020年を目指していた飛鳥3建造計画は、最大10年延期にする、という記事が2017年10月18日付け日本経済新聞朝刊に掲載されたようです。
資材の高騰の他、初代飛鳥、飛鳥2の両船を建造した三菱重工がアイーダ・プリマで大赤字を出してしまったのも影響しているとか?
飛鳥2と姉妹船のクリスタル・シンフォニーも改装を重ねて中型船ランク上位の常連ですし、飛鳥2も改装してグレードアップすればまだまだがんばれるのではないかしらと思います。